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2005年12月2日〜13日 音樂劇「雪狼湖」國語版 in台湾小巨蛋


二日目<12月3日>

☆第一幕
今日は、昨日のような事前挨拶はなし。
ということは、中断はしないつもりなのね。
おねがい、しないでっ! 最後まで観させて、お願い!
神様お願いです、學友が調子を取り戻していますように。無事に歌い続けられますように。

祈る思いで舞台を観る。
食い入るように、學友だけをみつめる。オペラグラスを片時も手放さず、ひたすら學友を追う。
でもこれ、「雪狼湖」を見る姿勢としては、學友の望むところではないよな…。でもしかたがないわ、學友が心配なのよ!
今日の客は皆、思いは同じだったと思う。一曲ごとに万雷の拍手。
聞いたところによると、少なくとも日本人迷は皆、ずっと手を祈る形に組んでいたようだ。そうよねー。

ただね、そんな中、私のすぐ前のカップルときたら。
べたべたくっついてすげーじゃまだったのー!
男が首から下げたオペラグラスを、女が男に体を寄せて使うのよー。オマエたちがくっついて動くせいで、私は舞台がろくに観えないんだよ!

私、この台北雪狼湖のチケット発売日に情報に出遅れて、悪い席しか取れなかったのです。
いや、それでも、冷静さが残っていれば、悪い席のアリーナよりもスタンド席を選ぶことでもっと観やすい席を取ることができたと思う。でも、焦ってしまったものだから、ついアリーナを取っちゃって…。昨日の初日は20列目、今日は24列目です。
いいの、明日は4列目だから! まともに見るのは明日に賭けるもん!
(しかし期待の三日目は中止となりました。私がいかにショックを受けたかが、この点からも御想像いただけるかと思います…(T_T))

今日の學友は、なんとしてでも、最後まで歌うぞ、終わらせるぞ、と決めているようでした。
喉の調子は今日も悪い。
悪いながらも、庇いながら、無理をかけないように歌っているようです。高音は、最初から力を入れすぎないようにセーブして発声しているかのような。
でも、低音は。
むしろいつも以上にビブラートを効かせて、迫力がありました。
喉の不調を技巧でカバーしようとする、學友の執念みたいなものを感じるくらいでした。
腐っても學友。いや腐ってない腐ってない(爆)。

湖のシーン、舞踏会、ふたりの出会い、森での再会。今日の小雪は、バイオリンを放り投げたりしませんでした(笑)。
いつにも増して、小雪の阿狼への視線が熱く感じられたのは気のせいかしら。
そして阿直に陥れられ、ふたりの別れ…。
☆第二幕
學友が出ないステージには用がない。とばかりに、いつもだったら四獄警登場のシーンは早く終わらないかと思うくらいなのに、今回に限っては。このシーンに限らず、學友が出ないシーンでは、「今ごろ着替えと休憩を取っているのね。少しでも休んで頂戴」と、シーンが長引いてもいいくらいに思っていました。私って…。

「問月」「不想失去ni」「怒吼」そして…「希望」。
観客一同、息を呑んで身構えた。
歌い終わって、ものすごい拍手。よかった、乗り越えた。この日のこの場面の拍手は、きっとこれからの巨蛋の歴史の中でも記録に残る大きさだったと思うな…。それくらい大きな拍手でした。

そして昨日途中で終わった「一等再等」。
一幕では出番の少ない玉鳳、今日ようやくまともに演技を見た気がします。
市場のダンスのあと、花を売り切ったふたりの会話、ナディア、セリフのタイミング、おかしかったと思うんだけど。
でも、私はセリフがわからないし、もしかしたらこれでもおかしくなかったのかしらねえ。香港で見た陳潔儀の演技を基準にして考えちゃってるから、タイミングが違うと、間違ってるような気がしてしまったけど…。ナディアのタイミングは、これでいいのかも?

寧母と会い、ウィーンに渡り、小雪を探し、訃報を聞き、時間傷口を通って過去へ遡る。
阿直の演技は、ますますオーバーになり、聞き取りづらくなり(最初からわからないとは言え)、なんか自分に酔ってるなあって感じ。
一方小雪は変わらぬ達者さ。今回學友がこうだったことで、いっそう許慧欣の技量が際立った気がする。全出演者の中で、この子が一番安定している。安心して見ていられる。

そして悲劇の瞬間。
泣きながら歌う「抱雪」。
小雪を抱き上げる阿狼。大丈夫か、學友! このシーン、今日だけは変更できなかったのか!
めちゃくちゃハラハラしました。よ、よかった、無事に抱き上げられた…。

☆フィナーレ
よかった、無事に終わった、ありがとう學友!
スタンディング・オベレーション、そりゃもう、当然でしょう!
學友おつかれさま、体調が悪いなか、頑張ってくれてありがとう、私たちに「雪狼湖」を見せてくれてありがとう。
とても嬉しい、見られてよかった、私たちはあなたの「雪狼湖」を見るために、日本から台北にやってきたのだから。
無事に終わった喜びで、私は自分の感情に埋没。

學友は、迷から受け取ったバラの花を、一輪ずつ出演者たちに配る。ああ、その気遣いが素敵。
昨日は受け取ろうともしなかった迷からの花。
よかった、今日は受け取ってくれた。

私はすっかり安心した。
まさかこのとき學友がすでに明日からの休演を決めていたことなんて夢にも思わなかった。

☆幕後
昨日と同じく、マクドナルド前で待合せ。
その隣にエレベーターがある。そのエレベータースペース、地下で記者会見をしている學友の姿が!
歓声を上げて、ガラスに張り付いて地下を覗き込む私たち。
白いキャップの學友の姿がわずかに見える。きゃーっ、學友ー!!
このときの記者会見の内容を知っていたら、誰もあんなふうにははしゃげなかったろう。
浮かれていた。

☆その後
まだ寝ていた私は、電話のベルで目覚めた。同じホテルのMさんから。
「雪狼湖は今日から三日間休演して、11日から振替公演をするらしい」
……え?

今、なんて?
頭、真っ白。
今夜の雪狼湖は、ない?
どういうこと? どういうこと? どういうこと?

呆然。


ショックを抱えたまま一日を過ごし、翌々日、帰国。
日本人迷の多くは、ここでショックを受けたままにはせずに、実に素早く判断を下した。
そして翌週、再び台北へと飛んだ。
復活した學友の舞台を観るために。
…私は、最初から諦めてなんの行動も起こさなかった。それ故、いつまでもいつまでもショックが尾を引き…。
気持ちの整理がつかないまま、悔やみ続けた。



このままでは終われない。

ところで。
帰国後、漏れ聴こえる話によると、初日の時点で學友はとても舞台に立てる状態ではなかったとのこと。
二日目も同様。
そこを學友が、「海外から来ている迷もいるのに、一度も幕を開けずに休演にすることはできない」と、無理を押しての上演だったという。

それに対して、學友の体が一番大切なのだから、そんな無理はして欲しくない、と迷からの怒りの声が。
ごもっとも。
私も、万一このときの無理がたたって、この先學友の声が出ないなどということになりでもしたら、耐えられない。
でも、結局このあと休養の結果、元の声を取り戻したので。
結果オーライで言わせてもらうが、學友の判断に、私は感謝する。
學友が無理をしてくれたおかげで、一回半の「雪狼湖」を観ることができたのだ。
休養優先で初日から休演していたら、もちろん、學友の体のほうがたいせつだから、休演しなければならないほどの体調だということで、心配が先にたって怒るどころではないだろうし、心配しただろうが、その場合の落胆は筆舌に尽くしがたいものがあったろう。
一回半観て、尚、これだけのショックが残るのだから。

「私たちのためにそんな形で無理をしてくれてもうれしくない」という迷の言葉はもっともだ。
私も、學友に万一のことがあったなら、どうしてそんな無理をするの、と怒り哀しむだろう。
でも声が戻った今の時点で、それを言うことができるのは、戻った學友の声を聴くことができたからこそ、のようにも思えるのだ。
後半に再度台湾に行き、再開「雪狼湖」を観ることができた迷だから、言える。前半しか行けない迷、この一回半しか日程的にチャンスのなかった迷のことを思えば、簡単に「中止して欲しかった」なんて言って欲しくない、とも思うのです。

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